2016年9月12日月曜日

ムラーノ CVTマニュアルモード故障の修理

ムラーノ(PZ50)のCVTデバイスを修理しました。以前書いた「CVTがマニュアルモードに切り替わらない件」の修理です。結論から言うと、原因はただの断線でした。それ自体の修理はそんなに難しくありませんでした。しかし、ディーラーにお願いするとASSY(組立済み部品)の交換になり、数万円の費用になるとの見積もりになります。ただの断線修理で済むものに、そんなにお金をかけるのはバカバカしいので、自分で直してみました。

とは言え、この修理はかなり難易度高かったです。私はノートPCを開けてHDDをSSDに交換するくらいなら臆することなくやりますし、比較的ややこしいと言われたレッツノートCF-W2程度でも開けて色々いじっていたのですが、こと車に関してはあまりいじり慣れていない人間です。このCVTの修理では、ある程度ネット検索で予習し実物で構造を見た上で、問題のCVTデバイスの分解方法はぶっつけ本番で検討しながら、約4時間くらいはかかりました。

余談ですが、このCVTがマニュアルモードにならない件は、ネットでちょいちょい見かけますね。どうも故障箇所はすべて同じ部分で起きているんではないかと思います。要は、故障しやすい部分なのではないかと。

http://www2.fukutoh.co.jp/~koba/murano_room/q&a2/c-board.cgi?cmd=one;no=7756;id=
http://soraouji.com/Detail/%E3%83%A0%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%8EZ50/BI7X6gLAcSr
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14144904974
http://www.justanswer.jp/automotive/863aa-.html
http://plaza.rakuten.co.jp/kenken34/diary/201505050000/
http://magokoro-car.com/2013/11/12438

特に最後のリンクにあるこの写真(http://magokoro-car.com/wp-content/uploads/DSCN3557.jpg)ですが、これは私が修理中に見たまんまです。まさにこの断線が起きていましたね。

修理の方法の全体像はこんな感じでした。
まず、センターコンソールを外して、問題のCVTデバイスを取り出します。ここまでは日産の修理マニュアルに丁寧な分解図が載っていますので、簡単に取り外せます。
次に取り出したCVTデバイス本体の修理ですが、これは上にも述べたようにASSYなので、ディーラーなんかではこのCVTデバイス自体を交換して終わりなんでしょうね。なので、これ以上は自力で分解方法を見つけなければなりませんし、場合によっては元に戻せなくなるかもしれないという覚悟をした上で修理作業を進めました。

それでは実作業です。
まずは、センターコンソールの取り外しをしました。これは、カーテックつかささんのブログ(http://cartsukasa.blog106.fc2.com/blog-entry-685.html)が大変参考になりました。今回はセンターコンソールを外すのが目的なので、ここに書いてあることをすべてはやる必要はないのですが、写真付きでたいへん分かりやすかったです。ありがとうございました。(と、ここで言ってもご覧になることはないだろうな・・・)

次はCVTデバイスの取り外しですが、私はこちらの資料を参考にしました(https://ownersmanuals2.com/get/nissan-murano-2007-repair-manual-transmission-transaxle-cvt-42122)。こちらのCVT-198ページ~CVT-201ページを見れば、だいたい分かるのではないかと思います。アメリカ仕様なのか絵は勝手反対ですが、構造自体はまさにこのとおりでした。




次にCVTデバイスの分解と、断線部分の修理の手順です。
断線部分がすぐにアクセスできるところにあれば修理は簡単だったのですが、断線自体はすぐに判明するものの、その部分に再度ハンダ付けするには結局CVTデバイス自体を分解する必要がありました。が、この部品はASSYですから、リペアマニュアルもありませんし、簡単に分解できるようにもなっていませんでした。

分解成功のカギとしては、シフトレバーを一番奥側に倒すことでした。奥に倒すことで、シフトレバー自体がCVTデバイス本体から分離することができて、問題箇所にアクセスできるようになりました。


まずは、上部の白い板状でゴム質の部品を取り外しました。この部品がシフトレバーの可動範囲を制限しているものの一つです。
この白い部品の上部に3箇所ロックリングのようなもの(正式名称は分かりませんでした)が付いていました。これは構造的には取り外しができないもののようです。板バネのようになった丸いリングがABS受信本体に食い込んでいて無傷では取り外せないようです。多少の傷は覚悟し、最悪の場合は接着剤で貼り付ければいいような部分だったので、思い切って外すことにしました。
マイナスドライバのようなものをロックリングの下に差し込んで、少しずつ持ち上げました。ロックリングが少しずつ変形し、食い込んだABS樹脂が削れていくような感じでしたが、気にせず力を加えていきました。最後はバネのようにピンと跳ねそうなので、指で抑えながらリングを外しました。
3箇所のロックリングを外すと、後はもう1種類の白いジュラコンのような小さい部品とともに、この白い板状でゴム質の部品を外しました。

これを外すと、シフトレバーが奥側に倒せそうですが、まだ幾つか移動を制限しているものがありますので、それを先に外します。
まずは、マニュアルモードUp/Down検知のためのマイクロスイッチ用部品を外しました。これは、爪で3箇所止まっているだけなので外しやすいですが、かなり硬かったです。これを外したら、ここから出ている配線を緩めました。そうしないと、このあとシフトレバーを倒していく時にこの配線が引っかかって、無理をするとその線が切れて被害拡大となってしまうでしょう。

次に反対側のシフトロック機構部品も外しました。ネジ2本を外すと簡単に浮いて外れました。外しても個々の部品がバラバラになることはありませんでした。

もう一つシフトレバーの移動を制限しているは上の写真の板バネです。これを指で持ち上げておいてからレバーを倒していきました。この時、配線への引っ掛かりに注意しました。

シフトレバーをほぼ一番奥まで倒した状態である角度の時だけ、このシフトレバーの回転支点部分が溝から滑り出せるような構造になっています。これで、CVTデバイス本体の部品と、レバー部分の部品が分離できました。

ようやく、問題の断線したマイクロスイッチ本体が見えてきました。あとは、外したレバー部分にあるナットを緩めてボルトも引き抜きますと、レバー部品が外れてマイクロスイッチが外せるようになりました。

マイクロスイッチのコモン(アース)が切れていますね。絶縁用収縮チューブもちゃんと被ったままで、マイクロスイッチ側に残った線を触ってみてもかなり固くしっかりしています。しかし、その収縮チューブのすぐ先のところで断線しているところから考えると、おそらくその先の配線長に余裕がなくてレバー操作により引っ張られたアース線のテンションがこの部分に集中して、疲労が蓄積しやすいのだと想像します。

ここまで来れば私の得意分野です。残った配線とチューブは切って捨てて、マイクロスイッチの端子をハンダゴテでキレイにします。幸い、切れた相手側はギボシでつながっているので、そのギボシから外せば作業は楽でした。電線の被覆をワイヤストリッパで剥いて、職場でお願いして分けてもらった熱収縮チューブを通してから、端子にハンダ付けし直しました。

あとは、これまでの逆手順で組み立て直すだけです。シフトレバー部品を組み直すときに、写真のようになっているとNGです。レバー側から出ている突起がマイクロスイッチのレバーを押すようにならないとダメですね。一度この間違いに気づかずに組み上げてしまい、再度バラすことになったのはここだけの秘密です。

分解するときに写真のようなボールの付いた白い部品(ピンセットでつまんでいる部品)が外れてしまいました。この部品のすぐ下に写っている丸い穴に入れました。穴にはバネが入っていて強く反発するので、レバーをP位置(パーキング)まで戻す際には強く押し込んでおかなくてはいけませんでした。

レバーをP位置まで戻してから、シフトロック機構部品を取り付けました。

そして、反対側のマニュアルUp/Downマイクロスイッチ部品を取り付けました。この時、元のようにギボシを部品の下に入れて固定しました。しかし、元々は今回切れた配線(黄緑)は少し束ねた状態でギボシとともに押さえられていたと記憶しています。そのせいで配線が少し短かったのではないかと思いましたので、修理後は配線が少し短くなったこととも考慮した上で、線は束ねませんでした。これにより、線長にかなり余裕が出て、レバー操作でもテンションが一箇所に集中することはなくなったのではないかと思います。

最初に外した白いゴム質の部品とロックリング(と勝手に読んでいるが)を戻しました。幸い、ロックリングは再使用してもちゃんと部品を押さえてくれているようです。ここがバカになってしまったら、最悪接着剤を使うつもりでした。もし、同様のロックリングを新調できるなら、外すときにはリングをニッパなどで破壊するほうがいいでしょうね。

さて、これでCVTデバイス自体の修理は完了しました。車に組み込む前にはテスターなどで接点のチェックをした方がよいのですが、まともなテスターは職場にしかないのでしませんでした。ただ、レバーを操作して、マイクロスイッチがカチカチとON/OFFする音だけをチェックして取り敢えずOKとしました。

早速、ムラーノに組み込んでテストです。まずは、イグニッションスイッチをONにして、インパネのインジケータ表示で確認しました。レバーをDレジンからマニュアルに操作すると、表示がDから1(M)になりました。修理はOKのようです。
ここまで確認できたら深夜1時を過ぎていましたが、ガマンできずそのまま実走テストです。久しぶりのマニュアルモードでちょっと嬉しかったです。でも、エンジンブレーキってこんなに弱かったっけな?そんな印象ですが、たぶん気のせいでしょう。

しかし、なぜこんなにもややこしい構造になっているのだろう。故障・破損しても、安全な方に振れるような設計基準とかがあるのでしょうか。それとも、素材や材質の性能を活かした使い分けとか、製造上の制約とか・・・。

最後に、この修理、もう一回やるか?と訊かれたらイヤと即答しますね、コレは。

2016年9月11日日曜日

VWのイベントに行ってきた

近くのショッピングモールでTry! Try! Try! Volkswagenイベントをやってるらしいので行ってみました。お目当てはもちろんパサート ヴァリアントです。

もちろん試乗してきました。


  • 懸念事項である低速時のDSGのギクシャク感は無かった・・・かな?
  • 1400ccとは言え十分な加速性能だった・・・かな?
  • 走行時の静粛性は口コミ通だった・・・かな?


・・・かな?というのは、結局、何も分からなかったということです。
モール内の駐車場を少し運転させてもらっただけなので、全然スピードが出せなかったです。最高で20km/hくらいだったでしょうか。教習所ですら40km/hは出すというのに。実際、教習所より全然狭かったですが。

せめて、500mでもいいから50-60km/hくらいは出さないと何も分からないでしょうね。まして、ACCや後方検知などの面白い機能が試せないのであれば、何のための試乗だったのか。私にとっては全く無意味なイベントでした。たぶん、ガッツリ見てみようという人が来るイベントではないですね。たまたま買い物に来た人に対してVolkswagenという名前を売るくらいの意味しかないでしょう。会場が違えばもっと有意義な試乗ができたのかもしれませんが、少なくとも私はもうこのイベントには行かないでしょう。最低限の試乗すらさせてもらえないどころか、営業さんとの話も全くできませんでした。

あっ、でも現車を初めて見ることができたこと、乗ってみての広さ目線の高さを確認できたことは、私にとっての前身とは言えるでしょう。
普段ムラーノに乗っている身としては、頭上の余裕が少なく圧迫感があるなぁというのは仕方ないとしても、運転席の狭さは感じました。足元はセンターコンソールがやけに運転席側まで幅を取っているなあということと、インパネ&ダッシュボードの威圧感がありました。まあ、ムラーノが広すぎる&簡素すぎるからそう感じるんだと思いますが。。。

やはり、直接店舗に行きますか。

2016年9月6日火曜日

microsoftのシンボルサーバー

トラブっているのかな?それとも、途中の接続経路のトラブル?
とにかくシンボルサーバーへのアクセスが遅くてVisualStudioが使いものにならない。Visual Studio 2015も2008も。とりあえず、シンボルサーバーを参照しないようにすればデバッグはできるのだけれど。

でも、よく考えたらシンボルファイルはキャッシュしているはず。キャッシュの内容と食い違っていて、シンボルファイルを新規のダウンロードしようとしているのかも。そういえば、Window10のAnniversary Updateがあったから、システムDLLが置き換わったのかも。shell32.dllのシンボルとか全然ダウンロードしてくれないんですけど。

2016年9月3日土曜日

パサート ヴァリアントがいいですね。

ムラーノ以降、ようやく本気で乗りたいなと思える車に出会えました。パサート ヴァリアントです。
2015年7月に発売された八代目(B8モデル)がいいですね。デザインはすごく好みですし、装備もかなりよいです。個人的に特に欲しい機能は、やはり完全停止まで対応するACCとレーンキープ機能です。高速道路を毎日のように乗る身としては、これで如何に通勤が楽になるのか、ぜひ試してみたい機能ではあります。

あとは、ダウンサイジングターボにも期待ですね。ムラーノV6 3500ccに乗っていて思うのですが、確かにこのくらいの排気量でしかもVQエンジンとなると、高速道路でも坂道でも余裕があるのは確かです。が、高速巡航速度になったときに、本当にそれだけのトルクとパワーが必要なのかな?、巡航に必要な最小限の出力に落として、燃費を向上させられないかなと思っていました。その解はハイブリッドにあるとずっと思っていましたが、最近になってようやくダウンサイジングターボという解決方法に魅力を感じ始めました。欲しかったのは、運転がつまらなくても徹底的な低燃費な車ではなく、運転は楽しく&燃費もそこそこ良いというバランスの取れた車だったわけです。

このあたりの条件を満たす車として、実際にスバルのLEVORGは試乗したこともあります。アイサイトVer.3も1.6LのDITエンジンも、短時間での評価ですが、なかなか良かったです。でも、どうしても300万円後半のお金を出してでも買いたいとは思えなかったです。なぜでしょう?ドライビングポジションが低かったことは一つの要因ですが、やはりデザインですかね、いまいち好きになれなかったのは。
悪くはないと思うんです、LEVORGのデザイン。でも好みじゃない。子供っぽいのか、ネットで見かけたガンダムっぽい顔という意見が原因なのか。私が直接、何の事前情報もなく現物を見た時はガンダムっぽいとは思わなかったのですが、その後そういう意見を聞いてからはどうもそのように見えてしまうというか、子供っぽいデザインと感じてしまう・・・。

まあ、すべてにおいて完璧な車など存在しないという点では、LEVORGももう少し安ければ、あるいは中古でもよいので程度のよいものが買いやすい価格であればまだまだ選択肢の一つではあるのですが、パサート ヴァリアントに関しては、私の判断ポイントをいろんな条件を高次元で満たしていますね。そうそう、いろんな場所を走っていてまず見かけることがないというレア度もポイントの一つです。

ネックはやはり故障の確率ですね。輸入車の品質は上がってきているとはいえ、故障率、故障した時の修理費や期間・サポート体制の点では、日本車に勝るものはないでしょうね。
それから価格。装備がショボいトレンドラインは外すとして、最低でもコンフォートライン以上のグレードになります。となると車両本体だけで370万円を超えますから、納車経費を合わせて400万円を超えることは目に見えている。そこから値引きがあるとはいえ、そこまで出す価値を見いだせるのかはもう少し時間をかけて考えたいところ。
そして、家族の同意も一つの障壁。乗れば良さはある程度理解されるとは思うけれど、基本的に車にあまり興味のない家族にどうやって乗ってもらうか、良さをアピールするか、そして、いくらになるかわからないがその価格に見合った価値を家族と共有できるか、そのあたりが中流庶民としては難しいところ。お金がもっとあればそのあたりはクリアしやすくなるのですが。ただ、ヨーロッパ系の他社と較べてもコストパフォーマンスは良いとは思っています。